大判例

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最高裁判所第三小法廷 昭和26(あ)171 判決

主 文

本件上告を棄却する。

当審における訴訟費用は被告人の負担とする。

理 由

弁護人田辺恒之の上告趣意は末尾添附の書面記載のとおりである。

論旨第一点について。

所論は原審で主張、判断しなかつた第一審判決の単なる訴訟法違反を主張するも

ので、適法な上告理由とならない。しかも第一審公判調書によれば、その証拠調に

ついて所論の記載があるが、右は検察官において被告人Aに対し特に所論の(一)

乃至(二七)の書証(B作成の盗難始末書は一〇、C作成の盗難届は一一にあたる)

を除外したものでなく、右各証拠は同被告人についても証拠調の請求がなされ弁護

人も亦これを同被告人について証拠とすることに同意したものと解される。そして

第一審裁判所は右各証拠について適式な証拠調をしているのであるから、所論の各

盗難届を証拠としてもなんらの違法はない。

同第二点について。

一、所論の各盗難届は第一審において被告人Aに対しても適式な証拠調がなされ

たことは前記第一点で説明したとおりであるから、所論は既にその前提において失

当であつて理由のないこと明らかである。

二、被告人の当該公判廷外における自白を証拠として犯罪事実を認定するには、

補強証拠を必要とするけれども、その犯罪構成事実の全部に亘つて一々これが裏付

けとなる補強証拠を必要とするものではなく、要はその自白の真実性を保障するに

足る他の証拠があれば足りるのである。そして、本件の賍物牙保罪については所論

の各盗難届を以て被告人の自白の補強証拠たり得るものというべきであるから(昭

和二五年(み)第八号同二六年一月二六日第二小法廷決定)、論旨の理由のないこ

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と明らかである。

なお記録を精査しても刑訴四一一条に該当する事由はない。

よつて同四〇八条一八一条に従い全裁判官一致の意見で主文のとおり判決する。

昭和二七年五月一三日

最高裁判所第三小法廷

裁判長裁判官 井 上 登

裁判官 島 保

裁判官 河 村 又 介

裁判官 小 林 俊 三

裁判官 本 村 善 太 郎

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